2021年7月12日月曜日

(2)素直(すなお)な人

 素直な人は大きく成長し、そして成功する。

「人の言うことをよく聞く素直な人になりなさい」と、保育所や小学校の先生に言われた記憶がある。母や祖母からも言われた。自分はこれに反発していた。素直な人という意味を、強い立場にある人のイエスマンになることと誤解していたような気がする。

今考えると間違っていた。もっと素直な人間だったら、私はもう少し成功していたかもしれない。素直な人とは、「物事をあるがままに認め受け入れることのできる能力」ではなかろうか。素直な心を持つことによって、良いものは良い、悪いものは悪いと判断できる。


ヘッドハンターは、高学歴で英語力を含め基礎学力の高い、かつ努力家で前向きの若者に出会うことが多い。それはとても良いことなのだが、時おり、きわめて自己主張の強い意固地(いこじ)な人がいる。意固地は素直の反対である。

「私はこのような仕事をやりたいのです。今の会社ではやらせてくれない。このままでは自分の将来は駄目になる。次の5年間はこのような仕事をやりたい。その経験を基にして次のステップは、、、、」と、先の先まで人生のスケジュールを立てている。それにプラスにならないと思う事象に出くわすと、会社が悪い、上司が悪いと言ってすぐに転職しようとする。

これは良くない。将来の目標を立てて努力しているのだから、一見立派そうに見える。しかし、自分の考えに執着しすぎる意固地な人は成功していない。

数多くの人の転職や人生を見ていて、また自分自身のささやかな経験を振り返って、人生というものはどうも、「出たとこ勝負」、のような気がしてならない。

遠い将来の計画や予定を立てて、その通りに実現したケースを、私はほとんど見たことがない。運命に流されて、努力もしないで、のほほんと人生を送れば良い、というのでは決してない。

運命ーあるいは縁(えん)という言葉が適切かもしれないーを素直にあるがままに受け入れ、まずそれを「是(ぜ)」とする。それを是としたうえで、明るくほがらかな気持ちで懸命な努力をする。このような人が成功している。








0 件のコメント:

コメントを投稿