2020年3月13日金曜日

神社のものがたり・高麗神社

東京の近くに出世開運に霊験あらたかな神社があると聞き出かけてみた。高麗(こま)神社という。
自宅のある中央線沿いの駅から八王子に行き、そこで八高線に乗り換えて高麗川駅で降りる。
神社は駅から徒歩20分の場所にある。

大正の後半から昭和初期にかけて、この神社にお参りした何人もの人が、たちまち立身出世をしたのだという。それほど大きくはないが、うっそうとした樹木に囲まれた、歴史を感じさせる風格ある神社だ。社務所発行の由来書(ゆらいがき)はコンパクトだが良くまとめられている。

水野錬太郎氏
大正11年6月7日参拝  同年同月12日内務大臣
若槻礼次郎氏
大正14年9月13日参拝  翌年1月30日内閣総理大臣
浜口雄幸氏
昭和3年9月15日参拝  翌年7月2日内閣総理大臣
斎藤実氏
大正14年1月29日参拝  昭和7年5月26日内閣総理大臣
児玉秀雄氏
昭和9年9月30日参拝  同年翌月25日拓務大臣

水野錬太郎という人は、初期の東京大学を出て官僚になり、その後政治家に転じた人で、大学予備門では正岡子規や夏目漱石と同級である。児玉秀雄は日露戦争時の陸軍大将・児玉源太郎の長男で、太平洋戦争中はジャワの軍政顧問のトップとして、今村均大将を助けた人だ。

あらたかな霊験で世間を唖然とさせた神社だが、その後は鳴かず飛ばずの時期が続く。

世間がこの神社のおそるべき霊験を忘れかけていた70年後、この神社はふたたびホームランをかっ飛ばす。なんと、あの鳩山由紀夫氏がこの神社を参拝してすぐに、内閣総理大臣に就任したのである。

「なに、あの鳩山さんでも総理になったのか!」
ひとびとは、この神社の霊験に恐れ入ってしまった。以来、参拝者が絶えないらしい。私が参拝した時も、数多くの参拝者がひしめいていた。

ただ、御利益がある人とない人がいるらしい。私はこの神社に二度参拝したのだが、自分の身辺には何の変化もない。今のところ、そのきざしも感じられない。



 

0 件のコメント:

コメントを投稿